相続時精算課税制度を選択する際は慎重に!
2019/11/22
先日、ご相談に見えられたお客様の話です。相談内容は、相続財産を受け取っていないのに、相続税を支払うことになったとの事でした。『なぜ???』
話を要約すると以下の通りです。
・夫が義父から相続時精算課税制度を利用し生前贈与を受けていた
・夫は義父より先に亡くなった
・夫とお客様には子供がいない
・義父の相続人は義妹のみ
・義父の財産は義妹が全て相続した
相続が発生した時、相続時精算課税制度を利用して生前贈与された財産は、相続財産に加えて相続税を計算することになりますので、【義父の相続時の財産+相続時精算課税制度で受け取った財産】をベースに相続税を計算することになります。
そして、相続時精算課税制度を利用して生前贈与を受けた人が、贈与を受けた財産割合に相当する相続税を納める必要があります。今回は、相続時精算課税制度で財産を受け取った夫は既に亡くなっておりますので、夫の相続人であるお客様がその納税義務を負うことになるのです。
義妹が依頼した税理士からお客様に連絡を受けた相続税額は1000万円弱・・・
義父が亡くなった時に遺された相続財産を全く受け取っていないお客様からすれば、『なぜ私が支払うの?」となる気持ちは重々わかります。
相続時精算課税制度を選択する際には、様々なリスクを想定し、万が一の時にも対応できるような事前対策が必要と強く感じました。